脊柱の動きを考えると、回旋筋・棘間筋・横突間筋などの小型の筋群は高密度な筋紡錘を有しています。
これらが正常な状態であれば各筋から連続的で滑らかな入力が得られるはずであり、一ヶ所あるいは数ヶ所が出力しないまたは逆の出力をするという事態は正常では起こり得ないはずです。
もし、このような事態であれば、中枢神経はそれを警告として捉え、ストレスとして認識するはずでです。これからキャノンのfight-or-flight-or-freeze responseが惹起され、それに伴う生理反応によりホルモン系の異常、自律神経系の異常が惹起される可能性があるわけです。
このシステム異常をサブラクセーションと考えると、サブラクセーションによる多様な病態が説明できると思われます。
また、これは生体システムの異常を惹起するわけですが、本質的には生体システムが自身を維持するために起こしているものであるので、イネイト・インテリジェンス(盲目なる生存意志)の概念を否定しないと思います。
このシステムで重要な要素は、おそらく「遊び」であると考えられます。
これらの問題は、二足直立歩行などの運動形態に起因するところが大きいと思われ、重力が大きな鍵を握っているように思います。