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徒手療法における人体の捉え方2

人体は、すべての生物において特殊な進化をしております。
一つは、地面に対して直立した脊椎構造とそれに伴う筋骨格の変容。
もう一つは、上記と深く関係する二足直立歩行です。
この人体が外環境の変化に常に追従して柔軟な運動を行うためには、重力に対してその重心位置をスムーズに移動させる必要があります。
人体では、左右の上肢帯、左右の下肢帯、体幹に分かれますが、体幹は胸郭のある胸椎部、比較的自由度の高い腰椎部、安定性の高い骨盤部、動きの基本となる頚椎部に分かれ、その上に頭蓋が載っております。
これらの部位は、互いに互いを含みあっている形で運動を円滑に行います。例えば、下肢帯は骨盤の腸骨まで含まれますが、骨盤部としての動きもあります。
これらの部位は、独立していながら連動するという構造になっており、部分として切り取るより全体としてみた方が本来のあるべき姿がわかります。
このような人体に対して、重心の移動がスムーズでなく、固着している部分の自由度をあげるような治療が徒手療法の基本となります。
これにより、特定部分にかかっている圧を取り除くことにより、人体システムそのものが本来あるべき状態として呼吸を楽にして、血流の阻害を正し、消化吸収効率や代謝を改善していくわけです。
従来的な徒手療法では、この特定の重心固定を身体の歪みとして表現しているに過ぎないわけです。
例えば、重心の固着により心臓に圧力がかかった場合、血流や神経支配に対してストレスが生じますので、臓器自体の機能が若干阻害されます。これを補うために血流の増加や神経伝達機能の強化などが行われ、それが長期におよぶとそれらの機能が疲れてきますので、場合によっては心機能が若干の不全状態になり、原因不明な不整脈を起こしたりする可能性があります。これは心電図に常に記録されるような器質的な疾患ではないため、いわゆる怖くない不整脈に分類されるものだと考えられるでしょう。
国立循環器病研究センターの循環器病情報サービスのHPでも「脈が不規則になるものの中に期外収縮があります。これは30歳を超えるとほぼ全員に認められるようになり、年をとるにつれて増加しますが、期外収縮の数が少ない場合は生理的な不整脈といえないこともありません。」
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/heart/pamph35.html
と記載されているように、脈が飛ぶこと自体が即座に病気というわけではないのですが、私はこう言った異常を単純に老化として捉えるのではなく、直立人体における重心の偏りにより起こると考えております。
この重心の偏りにより起こる問題は、内臓器よりも筋骨格系の方に大きな問題を生じることは言うまでもありません。