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東洋医学考1

東洋医学には陰陽、虚実、表裏、寒熱などの証概念があります。
証というのは端的には治療指針です。診察法も西洋医学とは異なります。
東洋医学とカイロプラクティックは、深い関わりがあるように思いますが、実はこの「陰陽」「虚実」が、どう違うのかよくわかりませんでした。
どちらも同じような説明がされております。表裏、寒熱などはなんとなくわかりやすい概念なのですが、「陰陽」「虚実」はどうも似たか寄ったかのような感じで理解に苦しむ概念です。
ちょっと調べても「陰陽」とは基礎代謝の高低で基礎体温の高低などとされ、「虚実」は体力の強弱で栄養状態や身体機能の良否などを含めた概念・・・などとありますが、結局のところ同じもののように思われるわけで、言葉を変える意味がよくわからないわけです。

中国武術の太極拳の 拳訣書に太極拳経というものがありますが、その中に「太極は無極にして生ず。動静の機、陰陽の母なり。」と言う記述があります。
端的には中国武術では虚実では技の発する前が虚、発し切るまで実という感じですので、4サイクルエンジンなら、排気・吸気が虚、圧縮・爆発が実と言う感じでしょうか。実際は2サイクルのような動きなんですけども。
このような記述を見ると、陰陽が上位概念で、虚実、表裏、寒熱が下位個別概念なのかなと思えます。
通常、上位概念は下位概念の集合から生まれますので、人体概念の最上位が人体そのものとすると、「陰陽」は人体自体の状態、「虚実」は人体の各機能の状態で各機能を総合したものの状態もまた「虚実」で捉えられるとすれば、各機能を総合しても人体そのものと等しくならないと言えるのかもしれません。

漢方の虚実では、よくボイラーの例えが出て、ボイラーの圧力が高いものが実、低いものが虚と言う感じだったと思います。

邪毒と気の関係で虚実を考えると・・・
邪毒強(実)・精気強(実)=実証
邪毒弱(虚)・精気強(実)=実証
邪毒強(実)・精気弱(虚)=虚証
邪毒弱(虚)・精気弱(虚)=虚証
・・・・と言う関係のように思われます。
二番目の「邪毒弱(虚)・精気強(実)」は正常という考えもありますが、少ない邪毒に過剰な反応をする可能性が否定できません。例えば、アレルギーなど免疫異常のようなものですと正常とは言えないように思われます。

これに陰陽を当てまめると・・・・
陽=(邪毒強・精気強=実証、邪毒弱・精気強=実証)
陰=(邪毒強・精気弱=虚証、邪毒弱・精気弱=虚証)
・・・・・・と言う関係性なのかなと思われます。

陰陽相和して太極となり、それが健康であれば、常に変転する邪毒に対して、同様に常に対応できる精気の有様が重要なのかなとも思います。
人体そのものを考えると、陽=実、陰=虚ではなく、陽実・陽虚・陰実・陰虚と言うものを考えなければならないとすれば、陰陽と虚実は各々別のものとして存在しないといけないということになるわけですね。